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  • 医療事故事件受任に関する私の立場

    医療事故が発生したとき,患者様やご遺族はいろいろな想いを抱かれると思います。
    中には,医師への責任追及をしようと思い立ったものの,周囲の人から(時には病院側からさえ?),そんなに金がほしいんかと中傷されていやな思いをされて,あきらめた方もいるかもしれません。

    しかし,少なくとも私がこれまでに受任してきた依頼者の方々には,「とにかく金がほしい」という人は誰もいませんでした。
    もっとも求められているのは「真実」は何か,「ほかにもっと手はなかったのか」という事実究明でした。
    ただ,残念ながら,依頼者の中には,「自分に都合のよいこと」だけが,「受け入れられる真実」であって,「客観的(科学的)真実」ないしは「合理的判断」であっても,自分の望む結果(医師の謝罪)につながらない「真実」は,断固として聞き入れないというタイプの方も少なからずおられます。

    私は,患者側の医療事件しか受任しませんが,是々非々で,しっかりとした事実の裏付けと相当因果関係があると考えた場合だけしか,訴訟は致しません。理解力に乏しい患者さんの場合には,なぜできないかと今度は弁護士に向かってクレームをつけ出すことがありますが,医師の法的責任は軽々に認められるものではないことを説明して,訴訟や示談交渉の受任をお断りさせて頂いています。

    弁護士は結果に応じて報酬をいただく職業ですので,受任する以上は最大限の賠償金獲得を目指すのが職務ではありますが,私の立場として,決して事実をゆがめてまで勝訴したいとは考えておりません。

    現時点では,手一杯で新たな案件に取り組む余力がありませんが,上記のような私のスタンスをご理解頂ける方のご依頼であれば,誠心誠意対応致します。

    今後ともよろしくお願い致します。

  • 「それでもボクはやってない」

    http://www.soreboku.jp/index.html
     3月1日フジテレビで放映されたので,見た。二人の裁判官に真実味があった。あれはいずれも決して架空の裁判官ではない。まさに典型的に存在する実際の裁判官の姿が描かれていた。弁護士は東京風の味付けで少々物足りなかった。大阪の刑事弁護士が監修したらもっとアグレッシブな弁護になったかもしれない。
     いずれにしろ,刑事裁判に無縁の一般市民は,この映画を見てもなお,「それでも裁判官は間違えない」「警察官は法廷で嘘を言わない」と思っているかもしれない。しかし,実際に裁判を戦うことは,現状の刑事司法制度では,両手両足を縛られて泳げといわれているくらいに、非常に大変なことなのだ。冒頭のシーンで出てきた「当番弁護士」の言葉を,えん罪被害を受けた無実の当人が受け入れるのは難しいだろう。しかし,それが現実である以上は,そう言わざるを得ない。確かに,弁護士でなければあの当番弁護士の心情を理解するのは難しいかもしれない。

     文明国で,取り調べに弁護士が立ち会えない法制度はもはや少数である。もしかすると,警察の取り調べに弁護士が立ち会えないという現状を知って驚く方が多いかもしれない。外国映画では,弁護士が警察署の留置場にまで入り込んでくる場面があるが,日本では,決してあり得ないのだ。
     日弁連では,捜査過程を透明化し,法廷での審理に反映させるため,「取り調べ過程の録画を求める請願」を集めている。
     個人的に刑事司法への絶望は深く,ここ数年,刑事は控訴案件しか扱わないことにして,民事弁護士に専念している。しかし,刑事弁護士は,絶望の壁を乗り越えようとしてがんばっている。
     法務大臣は「えん罪」という言葉が嫌いなようだが,どう呼ぶにしろ,無実の者が刑事司法の欠陥により危うく有罪にされそうになったり,現に有罪になってしまったりするという現実は存在する。一人二人のえん罪被害者を出しても,真犯人を逃さないことが大切だと考えるのも,一つの思想かもしれない。しかし,私はそれに与しない。

  • 謹賀新年

    あけましておめでとうございます。

    2008年、平成20年となりました。

    昨年は仕事のペースがなかなかあがらず、多くの関係者の皆様にはご迷惑をおかけ致しまして、大変申し訳ありませんでした。
    いまだ、未解決のままになっている件も多く、相変わらず、新規の仕事をお受けするのが難しい状況になっております。
    以前からのお客様にはできる限り優先対応しておりますが、年度内はこのような状態が続くものと思われます。

    そのような次第で,私のWebサイトや,このブログをご覧になって、初めて連絡を頂く方もあり、大変ありがたいのですが、残念ながら、当分の間お引き受けできません。恐れ入りますが、最寄りの弁護士会へ、ご相談ください(クリックすると日弁連サイトへ飛びます)。

    今年も皆様にとってよい一年でありますように。