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  • 公益通報者保護法ってなんだ

     2004年に制定され,周知期間を経て,今年4月,様々なニュースに紛れてひっそりと施行となった公益通報者保護法。
     内閣府は専用のサイトを立ち上げてPRしているが,やる気があるのかないのか,人材・資材に余力のある大企業はともかく,一般の中小企業経営者にとっては,いったいなんだそれはというコトになっているのではないだろうか。
     2002年には,すでに一部の有志弁護士たちが内部告発者支援のための団体(公益通報支援センターを作って活動をはじめているが,このたび,法の施行に伴って,日弁連をはじめ,各単位弁護士会でも支援の仕組みをつくって運営していくことになった。
     当然ながら日本最先端の弁護士会を自負する(・・・と思っているのは私だけか?)我が大阪弁護士会も,すでに相談窓口を設置し,支援体制を始動させている。
     この法律はとにかく,内容がわかりにくいうえに,適用範囲も狭いというもので,必ずしもこの法律に従ったものでなくても一般法理で保護される場合がある(同法6条)ということであるから,「ないよりまし」なレベルのものだといえる。
     ともあれ,内部告発・公益通報が企業不祥事を暴き,国家社会の秩序を維持するに極めて有効であった過去の事実(牛肉偽装事件,リコール隠し事件等),それにもかかわらず告発者が冷遇されがちであるという現実にあっては,そのような内部告発者・公益通報者が法的保護の対象なのだと宣言することにはそれなりの意味があるともいえよう。
     大阪弁護士会の無料電話相談は毎週月曜日の12:00~15:00,06-6364-6251で実施している。

  • Apache+PHP+Pukiwiki

    すごいツールを見つけた。

     以前からLinux+Apacheは遊び程度にさわっていたのだが,PHP+MySQLをかじりかけて,あまりの難解さに憤死して以来,しばらく遠ざかっていた。ところがインターネット界には,あらたに「Wiki」というものが普及していることを最近知った。
     これは,ナレッジベースとして非常に使いでのあるツールだと思う。とくに弁護士業務は常に最新の情報を仕入れ続けなければならないが,個人の努力では限界がある。現時点でそれをカバーしているのはメーリングリストだが,種々雑多なメーリングリストがメーラーソフトのなかでバラバラに保管されているので,利用がしにくいという欠点がある。
     ところが,このWikiは,たとえばWikipediaで使われているように,多くの人の知識を集積していくのに極めて役にたつ。いずれは,弁護士たちもこのツールを使い始めるかもしれない。私はとりあえず事務所内LANにPukiwikiを設定して,所内のナレッジベースとして育ててみたいと考えている。

  • 民暴事案には顧問弁護士活用を

     民事と刑事の境界線にあるような詐欺・恐喝事件は,警察へ相談しても相手にされないことが多い(警察関係者の反論があればぜひお願いしたい)。警察は民事事件に利用されることをいやがるし,弁護士が告訴の相談に来ることすらいやがる実情にある。
     確かに,弁護士が法的に適正処理をすると言って介入すれば,そのまま終息してしまう程度の事件であるため,他に多くの重大犯罪を捜査しなければならない警察としては,その程度のことなら当事者間で解決してくれというのが本音であろう。問題なのは,警察がそうであるのと同様に,弁護士自身も,そのような事件の受任を躊躇する要素があることである。

     まず,一面識もない人からの相談では,すぐに介入に踏み切れない。警察は民事事件に利用されることを嫌うが,弁護士は,虚偽や誇張された申告により事実認識を誤ることを恐れる。依頼者に人権があるのと同様に相手方にも人権があるから,虚偽告訴によりその名誉・感情を侵害することは絶対に避けなければならないからである。
     また,弁護士たるもの安請け合いして,慎重さを欠き,思慮が浅いままに事件に対応すべきでない。そのため,弁護士は,可能な限り詳細に事情を聴取し,客観的な証拠と聴取した事情とが齟齬矛盾しないかを吟味し,自ら納得した時点で,はじめてその事件の方針を立て,実行に移す。
     以上のような弁護士介入の特徴から,話を聞いて受任し,実際にアクションを起こすまで相当の時間がかかることになる。その弁護士がその間に,ほかの事件も抱えていれば,当然その事件処理のためにも時間がとられるので,依頼者が感じる待ち時間はさらに長くなってしまう。
     このようなときに,日頃から弁護士との付き合いがあり,経営者や従業員の人となり,会社の業務内容などをよく理解してもらっていれば,その弁護士は,おそらく,相談を受けたその場で相手に電話をして,今後は自分が一切を引き受けると述べて,迅速に介入通知をすることができるだろう。
     私は,平常時にはほとんど法的紛争と縁のない個人や中小企業を顧客として仕事をしているが,最近立て続けに民事介入暴力事案(詐欺・恐喝)の相談を受け,やはり,このような案件では継続的な顧問関係がないと対応は難しいと感じている。
     日常的に法的紛争を抱えていなければ,毎月の顧問料を払うのは無駄なようでもあるが,いつ不当な言いがかりがあるかわからないから,いざというときの保険だと考えて頂ければ,顧問契約を締結して特定の弁護士と継続的な関係を作っておくことのメリットを考えて,検討して頂けるのではないだろうか。

     現状では,それまで弁護士と無縁に過ごしてきた善良な一般市民が,いざ事件に巻き込まれてから弁護士を探すのは相当に大変なようである。弁護士会から紹介してもらうにしても,一人目で気に入った弁護士にヒットすればいいが,弁護士が事情を聴取して行動に移すまでにクリアすべき問題点は,既に述べたとおり数多くあるので,場合によっては受任を断られてしまうこともあり得る。ときとして3~4人以上もの弁護士に,同じ話を何度も繰り返し話して,だれも引き受けてくれないというハメになることもあるようだ。

     景気回復の兆しがあり,不法勢力の側からも,これからいろいろな動きが出てくると思われるので,備えておくに越したことはない。まずは手近な弁護士と連絡をとってみてはいかがだろうか。