親子・兄弟の縁を切るにはどうすればよいですか

 親子兄弟との縁を切りたい。非常に良くある法律相談ですが、回答としては「法的には不可能」です。

 まず、養子縁組により血縁関係に入った場合は、離縁すればよいので、問題ありません。
 しかし、生まれながらの血縁関係については、その血縁関係を切断・清算する手段は法律上、なんら用意されていません。むしろ「直系血族(親子孫)および兄弟姉妹は相互扶養義務を負う(民法877条)」として、法的にはお互いの面倒を見る義務まで課されています。

 縁を切りたいという希望をかなえるには、住所・電話番号その他あらゆる個人情報を出来る限り秘密にしておくことです。
 たとえば、住民票を移さないままに他所へ転居すれば、住民票による追跡が不可能になります。ただし、これには住民票が必要となる行政上のサービスがほとんど受けられなくなることや、移転届出義務違反による過料の制裁があるという大きな不利益を伴いますから、お薦めできません。

 なお、現実に面会を強要されたり、意に添わない仕打ちを受けたり、付きまとわれたりする場合には、裁判上の処分により「面談禁止・架電禁止の仮処分」の決定を取ることで、ある程度被害防止を図ることは可能です。
 これは、「自宅等の立ち寄り先や自己の所在地から半径何メートル以内に立ち入ってはならない」とか「電話をかけてはならない」、「面談を強要してはならない」などという個別の禁止条項を裁判所に決めてもらい、相手に通知するやり方です。もし相手がその条件を守らない場合には、例えば、1回の違反行為につき10万円の違約金を請求するという条項(間接強制といいます)をプラスすることもあります。
 仮処分の具体的な進め方等については、専門的な知識経験を要しますので、弁護士会から紹介を受けた弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

補足 2011/10/11
 こんなコメントをいただきました。

私は、中学2年生です。
法律上親子の縁が切れないのは
分かりましたが、
養子縁組を組めば、
今の親とは縁を切れるのでしょうか?

結論からもうしますと、養子縁組をしても、元の親との縁は切れません。養子縁組をした人の戸籍を見たらわかりやすいのですが、戸籍には元の親(実親)が記載されており、扶養義務や相続権など、親族関係の定めは養親とともに適用されます。

例外的に、「特別養子」という制度があり、夫婦で6歳未満の子どもを養子にとる場合に、家庭裁判所の許可により、元の親との関係を法的に切ってしまうことが可能です。特別養子の場合には、扶養義務や相続権などは養親との間にだけしか発生しません。

 *ご相談メールありがとうございました。
  上記の回答で不明の点がございましたら気兼ねなくお問い合わせください。
  なお、メールでの返答は致しませんので、あしからずご了承ください。

親族問題参考文献リスト

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