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司法修習生の給費廃止問題について考える

日弁連が署名活動をしています。賛同できると思う方は,ご協力ください。

少し長くなりますが,思い出話をします。

 私は高校生の頃,単純に社会正義にあこがれて,検察官になりたいと思って,法学部を選択しました。
 しかし,大学ではろくすっぽ勉強もせず,軟式テニスとアルバイトとバイク旅に明け暮れ,大学3年生のときに初めて司法試験を受けましたが,当然不合格でした。
 その後,親の仕送りをいただき,年の半分ほどは自分でもほとんどフルタイムに近いアルバイトをしながら,上京8年目,大学卒業後4年目,受験5回目(途中一回とんでもない事情で受験できませんでした)にしてようやく合格しました。
 今と違って,法科大学院はありませんでしたので,大学を卒業してからは,ほぼ生活費と受験予備校の答案練習会費用(合計でも年間200万円くらいだったかな)しかかかりませんでした。
 そのころの食生活といえば,小麦粉から手打ちうどんを作って食べるような貧粗なものでした(そのせいで,最近の若者が,「金がないからカップめんばかりですよ~」とかナメたことを言っているのをテレビで見ると無性に腹が立ちます。『金がないなら自分で麺を打て』と…。)
 まあ,そんな生活ではありましたけど,バイクが好きだったもんで,バイク便の仕事をけっこう長くやっていたこともありましたし,コンビニやファーストフード,弁当屋など,バイト先の上司・先輩・同僚にも恵まれて,それなりに楽しい暮らしでした。
 そんなこんなで,当然ながら,司法試験に合格した直後は,貯金は10万円もありませんでした。そんな状況でしたが,親の援助で,スーツなんかは買ってもらって,司法修習生になり,埼玉県和光市の研修所へ行きました。
 最初にもらった給料は,ほんとうにほんとにありがたかったです。たしか,ほんのわずかですが,親にもなんか渡したんじゃないかと思います(よく覚えてませんが)。

 2年間の修習生活は,私にとって受験勉強漬けの日々からの「人生のリハビリ」という言葉が一番あてはまる感覚です。
 そういうことで,結局ほとんど貯金は増えず,検察庁・裁判所の官僚的なところに魅力を失い,弁護士を志して民事裁判教官の紹介で大阪の法律事務所へ採用していただけることになり,大阪へ行ったときには,借家の契約で敷金40万円が一括払いできず,家主さんのご厚意で分割払いにしてもらいました。一人暮らしで初めてエレベーターと風呂のある部屋に住み,広さは20㎡もありませんでしたが,大満足でした。
 その後,本当にいろんな人との出会いや別れがあり,多くの人々に助けてもらいつつここまで来ました。

 こんな私ですが,,,
 修習生の給与制を維持すべきなのかどうか,正直なところよくわかりません。
 貸与制にするのであれば,少なくともアルバイトは解禁してもらわないと,おそらく当時の私だったら,より一層悲惨な目にあっていたことが想像できます。
 しかし,アルバイトをしながら修習生活を送る生活も,もしかしたら,それはそれで充実していたかもしれません。

 たとえば,身近に翌年には検察官・裁判官・弁護士になるという人が,バイクに乗って排ガスで煤まみれになって書類を配りに来てたり,マクドで「いらっしゃいませー」とか接客してたりしたら,皆さんはどんな感じを抱くのでしょうか・・・
 「がんばってるねぇー」と言ってくれるのか,「悲惨だねえ」とさげすまれるのか・・・。まあそもそもバイト中にいちいち「司法修習生でござい」なんて言わんのやろけど(^^;
 
 恵まれた境遇にあった50期台前半までの弁護士として,給費制廃止問題について雑感を記しました。
 世の中にあるいろんな問題の一つとして,給費制廃止問題にも関心を持っていただければ,幸いです。