不正競争防止法で保護される「形・色」

 関連の事件には次のようなものがあります。

 会計伝票事件。経理で使う会計伝票(原告主張では、両サイドに綴り用の穴が等間隔に連続してあけてあり、帳簿につづった時に罫線が連続するように上下の余白がカットされた形態を特徴とする)を模倣されて、損害を被ったと主張した事件です。一審は、原告主張の特徴は、技術的に必要な形態であって、不正競争防止法上の保護を与えると特許や実用新案での保護範囲を超えてしまうとして、請求を棄却しました。二審では、技術的に必要な形態であったときも、不正競争防止法上の観点から独自の保護を検討してよいとして一審の論理を否定しましたが、本件では、原告主張の特徴自体は、需要者に対して商品表示性(それを見た一般需要者の大半が製造販売者を特定認識する程度に周知されているという状態)がないので、不正競争防止法上の保護は認められないとしました(最高裁も高裁同旨です)。

 ルービックキューブ事件。あの立方体色合わせパズルです。これはいくつか事例があって、結論もまちまちですが、東京高裁の裁判例では、パズル本体には商品表示性がないとしています。事情としては、本体だけでは特徴と言えないとされたもので、別の大阪地裁の裁判例では、ルービックキューブのパッケージの類似について争われて、不正競争による損害賠償が認められたケースがあります。

 三色ラインウェットスーツ事件。ウエットスーツとしてはこれまで使われていなかった独自の配色の組み合わせで新商品を売り出したところ、これがヒットして模造品が出回ったという事例です。色づかいに関しては、デザインの範囲であって、それが創作性のある著作・意匠として保護される場合以外は法的保護対象にならないのが原則です。しかし、特定の色彩・配色を継続使用し、それがその製造販売者に、際立って特徴的なものであるとして市場で広く認識された場合(商品表示性と周知性の獲得)には、その使用利益を保護されるとの結論です。このケースでは意匠権の登録が拒否されたデザインの案件でしたが、一審・二審ともに損害賠償請求を認めました。

 濃紺家電事件。もう20年前くらいの話になりますが、それまで生活家電といえば白しかなかった時代に、三洋電機が濃紺色を採用した家電製品のシリーズを売り出しました。私もつい最近までそのころ買った濃紺色の炊飯器を使っていました。それは余談として、この商品シリーズがヒットしたので、他のメーカーもこれを後追いして、同じような色の商品を販売してきました。そこで、三洋電機は競合メーカーを不正競争防止法で訴えました。裁判所は、一審・二審ともに、統一色そのものでは製品の識別機能があるとはいえず、消費者はメーカー名表示と併せて識別していることなどから、請求を棄却しています。
 前記の三色ライン事件との違いは、色が一色のみであり、それ自体では特徴的とまでは言えなかったことです。同じような事件でオレンジ戸車事件(それまで黒か白だった戸車をオレンジ色で発売したらヒットした事例)というのがありますが、これも請求棄却案件です。単色だけで不正競争と認められるためには、販売形態や商品識別について、需要者に対するさらに一層のアピールが必要ということです。

国会図書館関西館利用記的な?

たまには軽めの記事も。 といいつつ長くなってしまったが。

先週はいろいろと調べ物をするために国会図書館関西館を連日利用した。

のっけから図書館の話題でないですが、すげえぞ ラムー !

国会図書館の近くにラムーっていうスーパーあるんだが、商品構成が広くて、けっこう安い。レジシステムもキャッシュ清算が自動化されてて使いやすかった。空き段ボール箱が山積みされてて、持ち帰り放題というのもよい。駐車場無料だし、7-24時の営業というのもすごい。200円弁当なんてのもあるし、惣菜・パン類も品ぞろえ豊富で、もうここに住もうかなという勢いのところでした。酒類はやや構成が薄かったかな。

肝心の図書館はといえば、とにかく造りが見栄え重視で不便すぎる。税金使ってんだから、利用者目線で作れっつー。ちょい腹立ったので、あえて建物写真はなし。
駐車場から建物入口まで延々百メートル以上歩かないと入れない上に、建物の入口から館内までも、無駄に長い階段を歩かされ、エスカレーターもエレベーターもない(たぶん必要な時だけ警備員がエレベーターに案内するシステム)。点字ブロックはコントラストがないいわゆる「おしゃれ」ブロックで、弱視者の役には立たず。トイレはいまどきウォシュレットがない。閲覧室東側のトイレのドアがやたら重くて、閉まる時セクシーな音を出す。多くの資料は閉架書庫式で、開架蔵書は少なく、エロ本も置いてないのに原則18禁なので、小さな子ども連れでは入れない(子連れで来た父子が警備員に止められてとぼとぼ帰る姿目撃・・・)。

まあ、情報システムが使いやすかったのと、全席電源付きと、安い食堂があるのがよかった点かな。
カツカレー400円と味噌ラーメンセット500円食べたが、まずくはなかった。ちなみに食堂の営業時間は11:00-13:30と短く、12:15-12:45くらいの時間帯は職員も利用するので、すごく混むから要注意。それ以外の時間帯は閑散として休憩所として使われていて、食べ物持ち込みもOK。弁当食べてる人いた。自販機コーナーに今時珍しいカップラーメン自販機があるのはよい。喫煙室は4階食堂フロアのみだが、広くて快適。

図書館を出て、夜空を見たら緑の閃光が雲に反射して見えたので、なにかなーと不思議に思っていたら、ラムーの隣のホテルのオブジェみたいなものが、北に向けて緑色のレーザービームを発射していた。由来は知らない。北朝鮮のミサイルを迎撃できるんならいいけど、いまどき電気の無駄だから、単なる光線はやめたらどうかと思う。

結論、精華町ラムー最高! 国会図書館建物最低!

追記)調べてみたら、ラムーは関西中心に結構出店してるようだ。ムー大陸・・・なつかしい響きだなあ。むかし流行ったよね、UFOブームなんかの系統でね。社長さん同年代かなあ。

不正競争防止法で保護される「商品等表示」

 この関連で問題となった事案には、次のようなものがあります。

 VOGUE事件。米国で1892年に創刊された著名なファッション雑誌の名前を分譲マンションの名前の一部に使った事件です。裁判所は、不正競争行為であると判断しています。「Vogue」は英語(語源は仏語)で「流行」の意味らしいですが、ファッションと不動産という違う分野であってもダメだとされました。

 映画・書籍・ゲーム等のタイトルに関しては、「超時空要塞マクロス」「究極の選択」「スイングジャーナル」「ゴーマニズム宣言」「D・カーネギー」「ファイアーエムブレム」などの裁判例があります。それらの結論は、不正競争とされたものもあれば、そうでないものもあり、保護範囲に関しては、具体的な事情により、判断が分かれている状況です。

 裁判の勝敗を分けるのは、権利者側が当該表示をどれくらい市場に周知・認識させていたか、侵害者側が当該表示を使って、どの程度消費者を誤認させたか、その二つの程度の問題です。この立証のために、不正競争の商品表示が問題となった事案では、新聞雑誌の記事やパンフレット、取引状況など膨大な証拠資料の提出が必要になります。

 契約に基づく請求は比較的簡単な事件ですが、上記のように、双方の言い分が真正面からぶつかり合う種類の裁判は労力が大変なものになりがちです。一般の事件でいえば、双方過失のある交通事故、専門的判断が争われる医療事故、離婚原因に争いのある離婚事件などの不法行為案件は、立証に苦労する類型の事案です。
 裁判実務をよく知る弁護士の多くは、この手の事案は、最終結論を判決に委ねずに、早期に和解をすることが望ましいと考えていると思いますが、一般の方にとって、自分の言い分を貫徹させない決着方法は、なにか、負けを認めるようで、あまり受けのいいものではないかもしれません。
 目先の勝ち負けにこだわらないことは、いろんな戦陣訓でも言い古されていることではありますけれども、まさに言うは易く行うに難しです。しかし、本当に判決まで取るべき難しい事件というのは、結構限られた数しかないように思います。

 弁護士が増えて訴訟社会化と言われる今日、当事者の利益そっちのけで法的手続きを強行し、紛争をあおるような弁護士も巷間少なからず出現しているようですから、当事者にとって本当の利益がどこにあるのかを見失わないように、紛争が起こってもまずは落ち着いて対処することが肝要です。