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親族・相続問題

Q 中学生・高校生のころから、父親に虐待を受けており、成人してからはそれはなくなりましたが、今度は借金の肩代わりを頼まれるようになり、サラ金のカードを作らされて、借金をされてしまって困っています。どうしたらいいでしょうか。

A いくら親であっても、子供を虐待する権利はありません。しかし、借金の責任は借りた本人が負担するのが法律上の決まりですので、借金問題は自分の責任で解決する必要があります。本件では、各サラ金との間では弁護士が介入して債務整理をして、新規の借り入れをできないようにしたうえ、父親に対しては、借入金相当額の損害賠償を請求して、毎月分割の支払いで解決し、債務の実質的な負担をゼロにしました。虐待の精神的負担の慰謝料請求も時効(3年)に掛かっていない限りは可能ですが、現実問題としては立証の問題もあって、困難なことも多いです。未成年の場合には、親権停止の申し立てなどで親から自立することも法的に可能ですので、信頼できる親戚や学校の先生、職場の上司、あるいは弁護士などに相談をして、自分の安全を確保してください。

Q 長男と母親が同居していましたが、最近になって長男の事業が不振になり、母には認知症の気配がありまして、母の今後の介護をどうするかで兄弟の間でもめています。幸い、亡くなった父親名義の不動産・預貯金・株券等がありますが、兄弟仲が悪く、まだ遺産分割ができないままになっています。今後どのようにしたらいいでしょうか。

A 認知症例では、まず家庭裁判所に成年後見の申し立てをするのが通例です。後見人には子供のうちの一人が付けばよいのですが、現実問題として兄弟間で財産争いやその他の問題での不信感があると、それも難しく、後見人として弁護士・司法書士などを選任して一定の報酬を払う必要が出てきます。
 後見人が選任されたら、まず亡父の遺産分割を協議し、その財産を使って、母親の介護のためのグループホーム・有料老人ホーム入所費用や生活費等につかうために後見人に管理をしてもらいます。その他、被後見人(母親)が亡くなられるまで、さまざまの問題が発生しますが、その都度後見人を介して兄弟どおしの意思疎通を図っていく必要がありますので、後見人がいればすべての問題が解決できるというわけでもありません。